研究テーマ

産業の場,生活の場においてロボットに代表される「知的システム」と人間がスムーズにコミュニケーションでき, うまく使いこなすことができる技術を提供することを目標とします. つまり人間とロボットの共存を可能とする研究を行っています.
具体的には,人間の意図を知的システムに伝え実行させるためのハードウェア構成,ソフトウェア構成, ネットワークシステムを基盤に,遠隔操作ロボット,ネットワークロボティクス(ネットワークに接続したロボットシステム)を対象として, システムの記述やプログラミング環境,ロボットの自律性と人間の関与の仕方,ロボットの振舞と人の感じ方など, 物理的レベルから心理的レベルまでの相互作用を研究しています.

PASについて

PASとは,当研究室で研究開発しているロボットシステムの名称です.
遠隔地にあるロボットをネットワークを介してさまざまな入力機器から操作し,遠隔地において操作者の代理人(エージェント)として 動作するロボットシステムです.
用いるロボットは駆動系にクローラ機構を用い,環境情報取得用のカメラ,障害物回避などを自律的に行うためのセンサ, 物体把持など人間の腕による動作を代行するためのアーム等,各種効果器やセンサを搭載した遠隔操作可能な半自律ロボットです.
ロボット運用には,無線LANまたはインターネットを介し,ロボット操作にはキーボード,マウス,ジョイスティック, 音声入力等を用いるようになっています.本研究室では,遠隔操作可能な半自律ロボットにおけるシステム全体を
物理エージェントシステム(Physical Agent System)PAS
と呼んでいます.

ロボットの制御系は以下のようになっています.
ロボットと操作するコンピュータの間はロボット用標準通信規格のORiNを 用いています.これを用いることで,同様にORiNを採用しているロボットを同じ操作系から操作できるようになります. これにより1つのロボットに1つの操作系という従来のロボットシステムの形を覆し,1つの操作系で複数のロボットを 操作することができるようになります.

また,ロボットは特に使用環境を決めておらず,さまざまな環境で使用されることが考えられるので搭載する機能を容易に付け替えられるように 機能ごとにモジュール構成になっています.これに伴い,制御ソフトの調整が煩雑になることが考えられるので,各機能モジュールの動作は モジュール内に搭載されたCPUで制御を行う分散処理方式を採用しています.また,処理を分散させることでCPU1つあたりの負荷が減ります.
各機能モジュール間の接続には現在,車内電子機器の接続に使われているCANを採用しています.CANは通信の信頼性が高く, またバス型配線なので配線量が少なくすむことが特徴です.

空間知について

本研究室では空間知という考え方で取り組んでいます.空間知とは,一言でいうと空間自体がロボットの機能を持つ技術のことです. すなわち,ロボットの機能要素を,ロボットの外部空間に分散配置させることです.環境からロボットへの情報支援を行うことにより, 知能の低いロボットでもサービスを提供できるようになります.


図2 ロボットの背景

私たちの研究室で進められている研究のメリットは,次の通りです.
(1)幅広いサービスの実現.
(2)インフラ技術提供
(3)ロボット間の情報共有
(4)サービスの再利用性向上


図3 ロボットの変化

個々により研究テーマの目的と位置づけが異なりますが,チームとして連携しながら研究を進めています.
・ロボットの連携環境の構築
・作業情報に依存した分解能可変システム
・RFIDタグを用いた位置推定
・タスクローカライゼーション
・オントロジーを用いたタスク選定
・物体操作知識の分散蓄積および統合利用

RTミドルウェアについて

RTミドルウエアは、様々なロボット要素(RTコンポーネント)を通信ネットワークを介して自由に組み合わせることで、 多様なネットワークロボットシステムの構築を可能にする、ネットワーク分散コンポーネント化技術による共通プラットフォームを 確立することを目指しています。
本研究室では,産業技術総合研究所により実装されたOpenRTM-aistを用いた研究開発を行っております.

以下から,本研究室で開発したRTコンポーネントのダウンロードが行えます.
公開RTコンポーネント

研究スタイル

 多忙のため教授が研究室に居られることは少ないので当研究室では週1回の定例ミーティングで研究経過を発表するようになっています.  今週の成果を発表し,次の週までにやるべき目標を定め,教授に知らせると言う方法を採っています.
 いわば企業の研究スタイルに似ているかもしれません.キツくはありますが鍛えられますし,  こなしていくことで自然と論文が書けるようになっています.
 研究内容は基本的に個人の希望通りになります.しかしそれは逆に自分で研究したいことを探さなければならないということです.  上から言われたことをただやるのではなく,自分で考え,行動する力が求められます.